2013年07月18日

京の夏 祇園祭とゆかりの和菓子 講座 報告

京都特有の蒸し暑さが体にまとわりつく梅雨の七月六日、

七夕を前にしたこの日、その暑気と湿気を吹き飛ばすような、

京都・清遊の会の恒例「和菓子講座」が行なわれました。

今回のテーマは「京の夏 祇園祭とゆかりの和菓子」

講師は会の主催者・中川祐子さん。

祇園祭にふさわしく浴衣姿で。

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最初に画面に登場したのは「京のよすが」

「四畳半」の異名を持つ亀末広の銘菓です。

祇園祭の季節には神社の神紋をまとった団扇が。

季節感満載の京のお菓子ですね。

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さて、今日のテーマは八坂神社界隈の老舗和菓子屋さん。

たくさんのお菓子屋さんの中から選ばれたのは

ほとんどの人がご存じなかったこの店

「鍵甚良房」さん

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 鍵甚良房 外観


紹介されたお菓子は

鉾餅(ほこもち) 今日の主役です!

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紅がさされた味噌餡をクレープ生地で包み、

祇園さんの神紋が焼印されています。

形は鉾の網隠し。

なんとも見事で、祇園祭の風情満点のお菓子です。

しかも、その味のなんと美味しかったこと!!

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 三個並べると、稚児と禿、に見えます?

さらに講師の買い物秘話と京の和菓子屋談義が実に面白く

まるで自分が買いに行ってるような錯覚を覚えました。


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  鍵甚良房 店内


次のお店はこの店

「甘泉堂」さん。


ご存じ、水羊羹や「とりどり最中」で有名ですね。

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  甘泉堂 外観 通常の営業中です。

この店は、いろいろと乗り越えなければならない関門があるのですが(笑)


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  これも営業中なんです!


臨場感溢れる講師の話は抱腹絶倒! 
実体験者ならでは、です。



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 甘泉堂の水羊羹(左)ととりどり最中(右)


そしてここで紹介されたのはなんと!

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 お菓子で作られた舞妓の花簪!!


どっちが本物かわかりますか?

花簪 十一月 かえで.jpg 菓子博 かんざし2.jpg

   

向かって左が本物、右がお菓子です!

この工芸菓子はお店では見ることはできません)


京都の和菓子屋さんの技術の高さと底力を思い知らされました。


次はこのお店。

「豆平糖」で有名な「するがや祇園下里」さん

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  するがや祇園下里 看板


なかなか一度ではたどり着けないお店ですが

中川講師がとてもお好きなお菓子がこの豆平糖なのですって!



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 するがや祇園下里の銘菓 豆平糖 


た、確かに美味しい。

美味し過ぎる……

京都の老舗の味、おそるべし。


ところで、

このお店の近くにある有名なお稲荷さん

みなさんご存じですね。

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  辰巳稲荷さん


ですが、この近くにあるこのお稲荷さん、

知ってますか?

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  観亀稲荷さん


知る人ぞ知る稲荷社ですが、過日、ここである展観が行なわれました。

その時紹介されたのが、「祇園の練物(ねりもの)」

その昔、中御座の神輿を鴨川の水で清める「神輿洗い」の日、

神輿を待つ「お迎え提灯」に際して、南座の役者や花街の芸舞妓が

思い思いに扮装してお迎えし、本宮まで参拝にお練を行なったのが祇園のお練り。

昭和35年を最後に行なわれていないのですが、

その時の衣装が見つかったのです。


そんな行事があったのですね。

まだまだ知らない祇園祭の秘密。


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  講座風景と「祇園練物番付」の資料画像


さて、祇園祭の和菓子といえばこれ

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そう。亀廣永さんの「したたり」です。

菊水鉾の菊水茶会で供される超有名な棹物ですが

このお菓子は、いまのご主人が考案されたもの。

それほど古くはなかったんですね。

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 亀廣永 外観とご主人

人のよさがお顔にでたご主人。

お店の暖簾も亀、壁掛け時計も亀。

誰ですか? ご主人も、なんて言うのは(笑)


中川講師の話は、何度も何度もそのお店に行き

粘りと笑顔で食い下がり(笑)

最後にはまるで昔からの友達のように

明かされない秘話まで聞き出してしまうという

京都を知り尽くした抜群の取材力に基づくものばかり。

その証拠に紹介されたお店の人たちはみな笑顔で写っていました。


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  身振り手振りで大熱演の講師


言いたいことだけ言って帰る講師が多い中

聞きたいことを教えてくれる中川さん。

きっとこれからファンがどんどん増えますね。

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  笑顔が魅力の中川さん



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  亀屋則克の浜土産(左) 神紋入りくず焼(右)


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  大極殿本舗の吉兆あゆ


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  柏屋光貞の行者餅

他にもとてもとても面白い話や美味しいお店、

お菓子が披露されたのですが

全部は明かさないでおきましょう。


どれもがまた聞きたい、

そう思わせるお話の連続でした。

これからも

季節とのつながり、行事との関係、

日本人の生活に密着した和菓子やお花、また意匠など

中川講師でなければ話せないテーマを

これまた独自の視点で紹介していただけることでしょう。


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あっという間の一時間半。

今後もとてもとても楽しみです。

最後に一つ。

実は、今回紹介されたお菓子、

鉾餅も豆平糖もしたたりも

すべて実際にいただくことができました。


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普段は前でしゃべっているある人がもてなしたみたいですが

どのお菓子も、出されるタイミングが微妙にずれていて

どれもが早すぎるやら、早すぎるやら、早すぎるやら!


ご参加の皆様、申し訳ありませんでした(涙、涙)

                                Y.T記

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2013年05月27日

一乗寺界隈散策 ご報告

新緑の清々しい時候となりました。

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18日、23日の両日、堤講師の案内による一乗寺界隈散策をいたしました。
そのもようをごらんください。両日とも晴天に恵まれ、爽やかな一日となりました。


初めに西本願寺北山別院を訪ねました。

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親鸞聖人の由緒を示す別院です。

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この鐘がこんないわれを持っていたなんて、まったく知りませんでした。驚き! 
最後にみんなで聞いた音色、忘れられません。

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御聖水 扉を開けて中を。とてもきれいな水に感動しました。

そういえばこのお寺の山号は聖水山……。 傍らの影向石にも
注目です。


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次の訪問地は金福寺。俳句愛好者の聖地で、幕末の貴重な遺跡でもあります。

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蕪村らによって建てられた芭蕉庵の由来が熱く語られます。

まるでその場にいたかのような白熱ぶり……(笑)

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どんな小さな遺跡にも詳しい説明が加えられます。

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本堂前の庭園。決して広くはありませんが、心洗われる清々しさです。

もうすぐ桔梗の花が咲いてお庭の景色に紫を添えます。


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さて金福寺を出て…どこに連れて行かれるのかと不安なままに…。

まさに清遊の会ならではの現地案内。


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舞楽寺跡碑です。張り巡らされたスサノオバリア。驚天動地の解説です。

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八大神社一の鳥居前にて。いつも前は通っていたのですが……。

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八大神社本殿。今回の現地案内のクライマックスがここ。

比叡山麓七里の歴史と秘密が明かされました。


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かつて本殿よりも大事にされた皇大神宮。その謂れは? 興味が尽きません。


いよいよ圓光寺へ─

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座敷から庭を眺めて。
建具を通して見る庭。

建物と庭園は不即不離、とても深い関係なんですね。


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禅堂 禅の話になると熱が入る講師。きっとなにか痛い思い出があるんでしょうね(笑)

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円光寺高台の家康墓。

このお寺にとっての家康の位置がわかります。山懐に抱かれた雰囲気充分の墓域です。

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市街を一望する好景が広がる、ここまで上がって来てこそ味わえるご褒美でした。


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案内の締めくくりはここ一乗寺跡でした。一乗寺界隈を選んだ今回のツアーを終えるにふさわしい場所。

あっという間に夕方。影も長くなっていました。

まさかまさかこんな一乗寺案内になるなんて!

いまさらながら京都
の遺蹟と歴史のつながりを堪能した一日でした。

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                   圓光寺庭園にて 











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2013年05月03日

「和菓子における贈答の文化」講座のご報告

新緑の美しい季節となりました。
GWに各地へお出かけの皆さまも多いのではないでしょうか。

427日、京都・清遊の会では「和菓子における贈答の文化」講座を行いました。

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                          参加の皆さんを待つ広間


はじめに井上由理子講師より和菓子の贈答の歴史をひもといていただきました。

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江戸時代、贈答に好んで用いられた上菓子(じょうがし)の誕生のお話。
宮中や公家、あるいは将軍家や大名家の行事に注文された菓子のお話。

一般には人生儀礼やお見舞、土産としてなど、記録からたどれる菓子には現在もある菓子の名が見え、たいへん興味深いものでした。

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現在、七夕の日に調製される「星のたむけ」(亀末廣)



そして今日は贈答にかなうお菓子として、虎屋の「花醍醐」
(はなだいご)をいただきました。

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このお菓子は京都限定だそうで、桜に見立てた紅色のそぼろで京都産の黒豆を使った羊羹をはさんであります。
醍醐は秀吉の花見でも知られるように桜の名所ですね。

いうまでもなく美味しくいただきました(笑)



今回は贈答の文化というテーマから、贈答品を包み、贈るのに使われる「風呂敷
(ふろしき)」について学んでみました。

昨今は紙袋などが普及していますが、「風呂敷」の歴史や役割、使い方のきまりを改めて知ることができ、その意匠やデザインも日本のしきたりと深く結びついていることがよくわかりました。


そしていよいよ包み方の実習です。
お気に入りのマイ風呂敷をお持ちになった方もおられ、色とりどりの風呂敷の花が咲きました!

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包む中身や形にあわせ、結び方の工夫で自在に対応できる風呂敷。
模様や柄、包み方、結び方によってとっても素敵な形になります。

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バッグのようにもできます。

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この結び方、洒落ていますね! 風呂敷ごと差し上げるプレゼントにいかが?


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今回の風呂敷体験?はむずかしいと思っていた包み方が意外や意外、すんなりと習得できました
。これなら家に眠っている風呂敷を活用できそうです(笑)。

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短い時間でしたが、またこのような楽しい体験講座ができればと思います。

お越しくださった皆さま、ありがとうございました。



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                上御霊神社の塀沿いに咲くいちはつ


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2013年04月08日

桜の見どころご紹介

満開を迎えると思いきや花散らしの雨が降りましたが、ことしのお花見はいかがでしたか。

名残を惜しんで、何ヶ所かの桜をご紹介いたします。有名どころ、意外にも人のあまり来ない名所もとりまぜてごらんください。

三月の哲学の道案内には大豊(おおとよ)神社で30数年ぶりの梅と桜の競演が見られました。

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まずは、北区、洛星高校の桜。

北野天満宮、平野神社の近くにあり、馬代通りをはさんで向かい側は日本画家・木島桜谷の生家があります。

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校内を通り抜けできる散歩道です。
学校には桜が似合いますね。

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賀茂川、半木の道の桜を車窓から。

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出町柳の風景。「見渡せば柳桜をこきまぜて…」を連想できるところ。

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京都御所、近衛邸あとの糸桜。えも言われぬ美しさです。

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昔から桜の名所として名高いところ。孝明天皇が歌を詠まれています。


池畔に枝を垂らす桜、はなびらが水面にはらはら落ちて。

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さて御所の中に、ほとんど空洞になっているにもかかわらず、花を咲かせる桜があります。どこでしょう?

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左京区、北白川天神宮(てんしんぐう)に来ました。なんと人がいない! 

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狛犬は桜の傘の下にいました。

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哲学の道からさほど離れていないのに。静かな名所。


前を流れる疏水沿いはまた桜の並木道です。でもご近所の人らしい人しか通らないんです。

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天神宮から延寿の道へ。車が通る道ですが、桜並木はここもすばらしいです。

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いよいよ平安神宮。これぞ桜の名所。
紅枝垂が青空に映えます。

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中神苑、蒼龍池へ。

ありました、臥龍松。ほんとうに龍のように見えます。

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栖鳳池のまわりをぐるりと回りながら桜狩り。

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泰平閣は風格がありますね。
背景の山とマッチした景色が見事!

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尚美館を景色に取り入れ池に映る桜は最高でした。

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以上、かけ足でご紹介しましたが、いかがでしたか。

おそい桜はまだこれからですが、いよいよ新緑も映える季節になりますね。


京都の春はますますたのしみです。





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2012年11月23日

ご報告

1123日(金・祝) 東京堤塾 京都世界遺産講座「清水寺」 堤 勇二
            きゅりあん 午後130分〜 (終了しました)


堤講師の清水寺のお話はこれまでに何回かありましたが、今回の話は、どこでも話されなかった初めての内容の連続!


驚くやら、感心するやら、あっけにとられるやら…!


一度聴いたからいいや、と思った方、本当に本当に残念でした(笑)。

この夜叉の使命を聴いて驚きましたね。

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清水寺なのになぜ東寺が?!

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来月の世界遺産講座は「西本願寺」です! 乞うご期待! 







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2012年10月10日

秋の清遊散歩 「一条通り界隈」ご報告

929日(土)、台風17号が近づいていましたが、何とかお天気がもってくれますように…

堀川通今出川下ルの「西陣織会館」にて集合。西陣の由来は皆さまご存じのとおりです。

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今日ご紹介するのは、ここが「村雲御所(むらくもごしょ)」と言われた「瑞龍寺」のあった地ということ。謀反の罪を着せられ高野山で自害した豊臣秀次の菩提を弔うため、母・智が建てた瑞龍寺がありました。

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石碑と、村雲三和町という町名に村雲御所のゆかりをしのぶことができます。

近くの菓子司「愛信堂」さんに、昭和36年までこの地にあった瑞龍寺の写真がありましたので見せていただきました。瑞龍寺は現在、近江八幡市に移っています。

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村雲御所のゆかりを大切にされている愛信堂さんは明治24年創業。
甘味と酸味の出会い、「ハスカップきんとん」は京都と北海道の
出会いもんでもあります。ぜひ一度ご賞味ください!


さて、元誓願寺通りを西へ。大宮通りへ出ますと「千両ヶ辻」と言われたところ。江戸時代、西陣織が盛んだったころ、一日千両のお金が商いされたとか! 現在も創業二百七十年という老舗があります…。

「夷風」さんを見学。築百四十年という町屋を改装、見学できるように解放されています。

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ご主人の南さんは友禅作家で、お仕事中の座敷で町屋の建築やお庭についてお話し下さいました。

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辺りに竹藪が多かったという笹屋町(ささやちょう)通りは細い道ながら、帯屋さんや、糸屋格子の町屋が残る静かな通り。

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浄福寺通りを南に折れて浄福寺へ。浄福寺のお向かいもお寺。日蓮宗の慧光寺です。

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浄福寺─

赤門で知られる浄福寺は浄土宗知恩院派の寺院。

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天明の大火のおり、鞍馬山から天狗が飛来し、このクロガネモチの木に登って羽団扇(はうちわ)で火を返し延焼を防いだと伝わります。

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護法堂の屋根瓦に「護」の文字、羽団扇の意匠も必見です!

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火除け転じて民衆の信仰となったものとは? 火から護る…博打に手を出し火傷をしないように。境内の絵馬を見て納得です。

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薬師堂には薬師如来像、日光・月光の両脇侍、二十八部衆、そして千体薬師像が安置されていました。篤い信仰の証しです。

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幕末、寺は薩摩藩の藩屋敷のひとつとなりました。「浄福寺党」と呼ばれた藩士のつけた刀傷も書院の柱に残っています。

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本堂は、江戸時代の「三間梁規制」に対して、外から見えると二棟の建物にしか見えませんが、内部はひと続きの広間につくられたもの。横からみると礼堂と本堂が合いの間でつながれているのがわかります。

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                  本堂 正面


浄福寺の三世(四世とも)泰童和尚はその徳ゆえに民衆に慕われた方であったそうで、門前には今も泰童町という町名が残っています。

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そして泰童さんが建立したという大超寺(だいちょうじ)がすぐ西側にありました。いまは岩倉に移転しましたが、大超寺はマキノ省三監督が「碁盤忠信」を撮ったところ。ロケーション映画発祥の地とも言われています。

浄福寺を後にし、一条通りを西へ。

七本松通りの交差点で無事、堤講師と合流できました! ここでバトンタッチです。フー、よかった…。

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七本松の由来、下ノ森遊郭と傾城町の話。宮本武蔵と吉岡一門の決闘。出雲の阿国歌舞伎の発祥。市電北野線の話などなど、堤講師の話は尽きないのです。

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「長五郎餅」の由来は天正年間。太閤秀吉に賞味されました。


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          早くも「ぬらりひょん」が…


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           本門佛立宗本山の宥清寺で。



お産の気(け)もなく安産できるという「気なし地蔵」の浄香庵、弘法大師生誕のゆかりを伝える「星見地蔵」の西雲寺は歯痛に効くお地蔵様…。

京都の通りは、歩けば歩くほどにたくさん由緒が詰まっています! 


そして大将軍八神社へ向かいます。 


妖怪たちも店先にでて歓迎してくれています…。

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マイスターはおいしい!パン屋さん。食パンじじいが守っています。

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こんな見張り番たちも。

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大将軍八神社に着きました。


大将軍八神社─

平安遷都の折、桓武天皇の勅願により方位守護の神として、この地、つまり内裏の北西角に勧請され、以来篤く信仰されてきました。場所は創建時のまま変わっていません。

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現在は素戔嗚命を主神として、その子五男三女の八神、聖武・桓武両天皇が祀られています。


方位方角について、また方徳殿の前では刀印など手の印相についての話を聴いてから中へ。

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方徳殿内部には八十体の大将軍神像が、星曼陀羅様に安置されています。大将軍を示す衣冠束帯姿の神像、武装した神像。いずれも平安から鎌倉時代のもの。張りつめた空気が漂います。

大将軍とは方位を司る星神。正面に安置される神像は妙見像と同じです。

一体一体の神像には魂が宿っています…。


二階の展示室には陰陽道に関わる古天文暦学関係の資料がたくさんありました。

現在上映中の映画「天地明察」でおなじみ、渋川春海の製作になる「天球儀」もありました!

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 映画もなかなか良かったですね!

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境内のりっぱな春日燈籠 
創建にあたり、春日大社の大将軍神を勧請したゆえでしょうか。



大将軍社を出て、さらにキリシタン墓碑で知られる成願寺、そして五色散り椿の地蔵院前で解散となりました。


今日のルートには、今はもう跡もなく偲ぶこともできなくなってしまった藤原行成の建立した「世尊寺」や貞純親王の邸宅のあった「桃園の地」なども含まれていました。

町名に残された歴史をたどりながら、幾代もの時を行きつ戻りつ、お話しながらの「清遊散歩」。歴史のヴェールは何枚も何枚も積み重なっていることを実感した一日でした。


また、皆さまと楽しい「清遊散歩」ができれば、と思います。どうもありがとうございました!

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                成願寺の酔芙蓉

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2012年07月27日

祇園祭現地案内 山鉾巡行観覧 ご報告

暑中お見舞い申し上げます。

いよいよ夏本番、皆さまにはいかがおすごしでしょうか。

京都・清遊の会では「祇園祭宵山現地案内」「山鉾巡行観覧」を行いました。その模様をご紹介いたします。

宵山の16日午前には、堤勇二講師による「祇園祭の楽しみ方」の講座がJEUGIAカルチャー京都で、午後からは同講師による現地案内が行われました。

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堤講師は、たった二時間で千年の歴史を持つ祇園祭を語ることはできません、とおっしゃりながらも、八坂神社の御祭神の話、祇園祭の神事と山鉾町の行事、画像を使っての山鉾の紹介などなど、わかりやすく面白く語られました。

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いつもながら堤講師の深い知識に脱帽です。特に神功皇后や安曇磯良など船鉾のご神体にまつわる話はもっと聞きたかった…。


午後は山鉾めぐり。長刀鉾の向かい側から出発です。

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函谷鉾、菊水鉾と回りました。

菊水鉾─カンカン照りの青空に鉾頭や天王人形が映えます。

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上から小屋根、そして右手に柄杓・左手に盃を持つ天王人形─彭祖(ほうそ)か菊慈童か? 
その下は菊の紋付幕を垂らし菊の枝を立てた天王台。


池坊会館では大船鉾の画が掛かる広間の前で、次に訪ねる月鉾の説明を聴きました。


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月鉾の彫刻、絵画、懸想品、どれも素晴らしかったです!

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放下鉾へ。放下鉾は檜扇形の榊が特徴です。

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小結棚町の町会所に上がって見学しました。

稚児人形の三光丸(さんこうまる)君は気品のあるお顔をしていらっしゃいます。

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「三光丸」は久邇宮多嘉王の命名になり、京都を代表する人形店、丸平大木の名作。

巡行の際には三人の人形師が付き、稚児舞いを演じます。


さて、山鉾町の中にあって祇園祭の山や鉾を出さない町…菅大臣町にやってきました。

ここには菅大臣社があります。


菅原道真の父、是善(これよし)の住まいであったところと伝わります。

なるほど!  天神様への信仰があるところですもんね。菅大臣社を通り抜けて行きます。

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岩戸山に来ました。岩戸山は「国生み」と「天岩戸伝説」の二つを主題にしています。

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ご神体のうちの天照大神はなんと男性像なんですね!  なぜでしょうね?

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鉾の形に似ていますが、岩戸山は曳山で、北、南の観音山に先がけて最初に曳山としたものです。


新町通りでは一番南に位置し、この岩戸山の上からは北に向かって並ぶ山鉾を眺めることができます。

白楽天山を回り、そして最後の鶏鉾に着くころにはもう夕方となり、宵山も凄い人の波となっていました。


猛暑のなかの山鉾めぐりでしたが、大勢の方がご参加下さり、無事に終えることができました。


堤先生には復帰後初めての現地案内をしていただき、本当にお疲れ様でした。


17日は、JEUGIAカルチャー京都8階から山鉾巡行を観覧しました。

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中川のご案内でしたが、皆さまは前日の座学、現地案内に参加された方も多く、それを踏まえて熱心に見学されていました。

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いつもはここはヨガやダンスなどに使われているお部屋ですが、ベランダからは四条通りの寺町から河原町までを眺めることができます。

高いところのお好きな方ばかりが見学かと思いきや、くだんの先生もお越しになりました。
しかしベランダからでなく、室内から望遠で撮影されていましたよ。(笑)


鉾頭や天王人形が目の前を通るのですから、驚きです。


写真は長刀鉾の辻回しの様子です。壮観な眺めです!

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蟷螂山のかまきりが羽を広げる様子もまた一興。

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約三時間、山鉾巡行を堪能させていただきました。



ことしは暑さも一番でしたが、青空のもと山鉾のお飾りが映え、宵山や巡行を見学するには素晴らしい日和でした。


ご参加くださたった皆様、どうもありがとうございました。

以上簡単ですが、祇園祭案内のご報告とさせていただきます。





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2012年05月12日

「清盛と芸能」講座ご報告

初夏を思わせる陽気となった55日、京都アスニ―において、とっておき講座「清盛と芸能の世界」を催しました。

今日は、現代の白拍子(井上由理子講師)による芸能、
堤講師による「十二世紀という時代と梁塵秘抄」のお話、
さらに井上講師に、皆さんから、あるいは堤講師から質問をしていただくコーナーの三部構成です。

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いよいよ始まりました。

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衣ずれの音がして─

烏帽子に水干、緋の長袴、白鞘巻の太刀をはいた白拍子の姿。


まずは、琵琶・四絃の演奏「祇王」

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つづいて、白拍子 語り 『平家物語』より「祇王の事」

琵琶の音、白拍子の語る声に引きこまれてゆく世界。

張りつめた空気とあいまっての心地よさ。




白拍子舞「祇王」

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美しく、哀しく、清澄な舞。

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皆さん、どのように感じられたのでしょうか。

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終わって思わずため息がでました。


休憩して一息入れ、

堤講師の講義が始まりました。

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白拍子、傀儡(くぐつ)、歩き巫女などのいた時代、特に12世紀に焦点をあて、白河、鳥羽、後白河法皇の治世が日本の歴史上どのような時代であったのか、また当時の芸術や今様について画像も駆使しお話していただきました。

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                     久能寺経

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                   信貴山縁起絵巻

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      平家納経 見返し絵


さらに、「梁塵秘抄」に収録されている歌─法文歌(ほうもんのうた)や神歌(かみうた)などを紹介いただき、言葉の創り出す世界観について、堤講師独自の解釈からは学ぶことが沢山ありました。


最後には井上講師に再登場いただきました。

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社寺での奉納の様子や、桜の木の下で、あるいは琵琶湖畔の葦の群生しているなかで舞う姿など貴重な画像も見せていただき、熱心な皆さんからはさまざま質問が寄せられました。



自然と神と仏と白拍子─。

室町中期にはもう途絶えてしまったという芸能を、ときには風を神と感じ、ときには自然の生命力を借りるごとく戯れ舞い、求める姿。


先ほど私たちが目にした姿が重なります。

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──戯れせんとや生まれけむ…。


歴史の中で変容してゆく芸能のすがたをたどりつつも、そのうちに秘めて深遠な世界のあることを教えていただいた一日でした。
                       

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  深泥池のかきつばた  
水辺に舞う白拍子を連想して


 













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2012年04月26日

和菓子の会 ご報告

422日、井上由理子講師による和菓子の会「芸能と和菓子」を催しました。

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まずは春の踊りの季節によせて、「都をどり」を始め、京都の五花街の踊りと、その折に出される花街ごとの「じょうよ饅頭」の意匠を。

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そして、今日の本題、狂言にでてくるお菓子。

「菓争(このみあらそい)」や「業平餅」「附子(ぶす)」といった狂言やそこに出てくるお菓子を紹介していただき、
その成り立ちやその時代の菓子について学びました。

古典芸能に精通しておられる井上先生ならではのお話です。


芸能とお菓子の歴史には密接な関係があるのですね!


そして当時をしのばせるお菓子を実際に試食。

「醒井餅(さめがいもち)」は米どころ近江の水と米が成せるわざ。

美味しいかき餅です。ぱりぱりという食感、こうばしさが口いっぱいに広がります。

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菊水飴は水あめ。

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醍醐寺三宝院門跡から菊の御紋の暖簾と和歌を賜り、菊水飴と称した由緒があります。

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砂糖を使わない製法。やさしいお味です。

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さて、いよいよこの時期の和菓子をご紹介いただきました。

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この時期は弥生の「菜の花」、

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そして「桜」のさまざま、

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               しだれ桜

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                 花筏

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                花月夜

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                春の水

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                 春水


「若葉」や下の「新芽の香」といった新緑の頃の菓子、

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また、「藤浪」や「胡蝶」、「岩根のつつじ」など春の盛りへと向かう意匠が揃うそうです。

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                                 野花


さて、井上先生のお話の後は、今日の花街のお菓子をふまえて、和菓子プチ体験コーナーを試みました。


じょうよ饅頭をヒントに、ご参加の皆さんに、三種類の食紅と木の芽を使い、それぞれのお菓子を作り上げていただきました。

さて、構想は?

 

皆さん、どんなデザインにしようか迷われるかと思いきや、すぐに取りかかられました。
集中力すごいです。熱心!

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好みの色をつくり、配色を考え、黒文字や爪楊枝などで思い思いに、自由な筆運び。

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銘をつけて完成です。

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前日の「上賀茂神社」講座から着想されたのでしょうか。

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銘もさまざまに─

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蛸…法華経の功徳あり。

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季節を感じて─

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皆さんの思い描く春の景色。好きな草花。

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春のイメージが映されて…。
皆さんの感性、素晴らしいですね!

全部をご紹介できないのが残念です。


この体験コーナー、じつは想像以上に盛り上がりました!



いよいよ最後は堤講師の小咄です。

和菓子は手のひらに載る小さな世界ですが、きょうのお話は「日本の尺度」について。

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一尺、一合、一石、一反、一貫、一尋…の語源を皆さんに伝授。

日本の寸法は身体尺といって人の体が基本になってできているのだそうです。

なるほど! 聞いたら人に話したくなる話。


井上、堤両先生と皆さんの楽しい時間はあっという間に過ぎ、和菓子の会は
無事お開きとなりました。



京都・清遊の会は、皆さまと講座や現地で学び、時には参加し体験する、そんな会でありたいと願っています。

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

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2012年03月18日

ご報告

本日318日、京都北文化会館にて、堤勇二講師が京都世界遺産講座を再開、正規の講座としては約9か月ぶりに復帰を果たされました!

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昨年625日の京都、73日の東京での「祇園祭」講座以来になりますが、長期にわたるブランクを感じさせない熱弁、京都では第二期シリーズの一回目「醍醐寺」について、約三時間にわたる充実の講義を聴くことができました。

さすがに世界遺産講座、しかも醍醐寺という、その歴史をはじめ、仏像、建物、庭園などすべてにおいて学ぶべきことのあまりにも多くの内容を、堤講師は画像を駆使し、丁寧に解説され、受講のみなさんは熱心に耳を傾けられていました。

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いつも感じることですが、堤講師から歴史や文化につて学ぶとき、その知識のみならず、先生が学んでこられたその精神性についても教えられることが多々あります。
神や仏に向かうときの心の有り様とでもいうのでしょうか。


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堤先生へ

京都・清遊の会のみなさまにとりまして、今日の先生の復帰を皮切りに、これからまた先生の京都学を学ぶことができますことは大いなる喜びとなります。
これからも本当に楽しみにしております。
お体に気をつけられながら、深く楽しい講義をよろしくお願いいたします。


堤先生の復帰を祝して!  
                 早春の景
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              東福寺境内にて

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            蓮光寺「駒止め地蔵」の桜
posted by 清遊 at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする